神経の興奮が痛みを長引かせる?神経痛と鍼灸治療

こんにちは。【所沢肩こり腰痛マッサージ鍼灸院】鍼灸マッサージ師の熊谷陸です。→熊谷陸の経歴・実績についてはこちら
慢性的な腰痛や肩の痛み、しびれなどが続くと「もう筋肉をほぐすだけでは良くならないのかな…」と、不安に感じてしまうことはございませんか。
最近では、痛みが長引く原因のひとつとして“神経が興奮して敏感になっている状態” が注目されています。
整形外科や治療院でもよく耳にする言葉ですが、「神経が興奮するってどういうこと?」「どうして痛みと関係があるの?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
実は、痛みの感じ方は筋肉や関節の状態だけでなく、その場で痛みをキャッチする神経の働きにも大きく影響されます。
神経が過敏になるほど、わずかな刺激でも痛みとして感じやすくなり、改善までに時間がかかってしまうこともございます。
こちらのブログでは、神経の興奮とは何か・なぜ痛みが長引く原因になるのか・鍼灸治療でできる具体的なアプローチをわかりやすく解説いたします。
「痛みの本当の原因を知りたい」「神経痛に鍼灸は効果があるの?」そんな疑問をお持ちの方に、少しでも参考になれば幸いです。

目次
神経の興奮とは?

神経の興奮とは、痛みを感じる神経が敏感になり、必要以上に刺激を痛みとして受け取ってしまっている状態のことです。
本来、痛みはケガや炎症を知らせるための大切なサインですが、神経が過度に反応してしまうと、わずかな刺激にも“痛い”と感じやすくなります。
こうした神経が敏感な状態が続くと、症状がなかなか改善しにくくなってしまいます。
例えば、軽く触れただけで痛みを感じる・普段は痛みにならない動作でズキッとする・筋肉の張りが取れても痛みだけが続く。といった現象は、神経が興奮しているサインです。
神経には「痛みを伝える線路」のような役割があり、その線路が交通渋滞を起こすように過敏になることで、必要以上に痛みの信号が脳へ送られてしまいます。
神経の興奮は、痛みを強く・長く感じさせる原因のひとつです。
筋肉のコリだけでは説明できない痛みが続くときは、神経の働きが影響している可能性がございます。
神経が興奮すると慢性痛が治りにくくなる仕組み
神経が興奮状態のままだと、脳が“痛みの情報”を受け取り続けてしまうため慢性痛が治りにくくなる傾向がございます。
痛みは神経を通って脳に伝わりますが、神経が敏感なほど痛み信号が多く脳に送られてしまいます。
すると脳は「まだ治っていない」「まだ危険がある」と認識し、痛みを強く感じる状態が続きます。
これを「痛みの悪循環」と呼びます。
【神経の興奮が痛みを長引かせる流れ】
①筋肉がこる/姿勢が崩れる
②神経が刺激を受け、興奮状態になる
③神経が敏感になり痛みを感じやすくなる
④痛みが続くことでストレスが増え、さらに神経の興奮が強くなる
⑤痛みのループから抜け出しにくくなる
痛み止めを飲んでも改善しきれないケースは、まさに神経の過敏さが関係していることが多いです。
慢性痛の改善には、筋肉だけでなく“神経の興奮を落ち着かせること”が重要です。
神経が穏やかになれば、体の自然な回復が進み、痛みは軽くなりやすくなります。
神経が興奮してしまう原因とは
神経が興奮してしまう主な原因として、【長時間の姿勢やストレス】【運動不足・血流低下】【痛みの記憶】の3つが考えられます。
長時間の姿勢やストレスが神経痛を悪化させる理由
長時間の同じ姿勢や精神的ストレスは、神経を興奮させ、痛みを強く感じやすくする大きな要因になります。
体が固まった状態や、精神的に緊張した状態が続くと、筋肉が硬くなり血流が低下します。
血流が悪くなると神経へ十分な酸素や栄養が届かず、神経そのものが疲れやすく、敏感になりやすい環境がつくられるからです。
さらにストレスが続くと、自律神経が乱れ、痛みの信号を抑える働きが弱まります。
その結果、普段なら気にならない小さな刺激でも「痛い」と感じやすくなってしまうのです。
姿勢やストレスは“神経への負荷”として積み重なり、痛みを長引かせる大きな原因になります。
神経痛の改善には、体と心の両面から負担を減らすことが欠かせません。
運動不足・血流低下と神経痛の深い関係
運動不足による血流低下は、神経を興奮させ痛みを悪化させる大きな要因です。
神経は血液によって栄養を受け取り、正常に働ける状態が保たれています。
しかし、運動不足で血流が低下すると、神経の働きが弱まり、わずかな刺激にも反応しやすい“過敏な状態”になってしまいます。
筋肉が硬くなると、神経の周りのスペースが狭くなり、物理的に圧迫されることも痛みの原因になります。
この状態が続くと、神経は常に刺激にさらされ、興奮しやすい体質へと変わってしまいます。
痛みの記憶が神経を敏感にする
痛みが長く続くと、脳が“痛みを記憶してしまう”状態になり、神経が自動的に過敏になってしまいます。
これを「中枢感作(ちゅうすうかんさ)」と呼びます。
脳は繰り返し送られる痛み信号を学習する性質がございます。
そのため、長期間痛みを感じ続けると、痛みの信号が実際より強く伝わったり、本来痛みではない刺激まで「痛み」と判断するようになってしまうのです。
中枢感作が進むと筋肉や関節の状態が改善しても、脳が“痛い状態が続いているはず”と誤って判断し、痛みのループから抜け出しにくくなります。
慢性痛の背景には“痛みの記憶”が関係していることが多く、神経の興奮を落ち着けるケアが必要です。
鍼灸治療は神経のどうアプローチするのか

鍼灸治療では、”神経の興奮”を改善するためのアプローチができます。
主な効果として【神経の興奮を落ち着かせる仕組み】【血流改善が神経の過敏さに与える良い影響】【深部の筋緊張へアプローチし、神経圧迫を軽減する】【自律神経を整え、慢性痛そのものを改善へ導く】の4つがございます。
神経の興奮を落ち着かせる仕組み
鍼灸は、興奮し続けて敏感になっている神経の働きを落ち着かせ、痛みの感じやすさを和らげる効果がございます。
鍼が体に入ると筋肉の深部に届き、神経の周囲で微細な刺激が起こります。
この刺激が脳に伝わることで、脳内では「鎮痛系」と呼ばれる仕組みが働き、痛みを抑える物質が分泌されます。
さらに、過剰に反応していた神経が「正常な感じ方」を思い出すようにリセットされ、痛みの信号が弱くなることが期待できます。
血流改善が“神経の過敏さ”に与える良い影響
鍼灸は血流を促進し、神経へ酸素や栄養がきちんと届く環境を整えることで、過敏になった神経を落ち着かせていきます。
神経は血液から酸素と栄養を受け取って正常に働きます。
血流が悪くなると、神経は疲れやすくなり、わずかな刺激にも反応してしまいます。
鍼灸は筋肉の深部にある細かい血管まで刺激が届き、血流量が増えるため、神経の働きを安定させる助けになります。
鍼灸による血行促進は神経痛の根本改善につながり、痛みを繰り返しにくい状態を自然とつくってくれます。
深部の筋緊張へアプローチし、神経圧迫を軽減する
鍼灸は、手では届きにくい“深い筋肉”の緊張をゆるめ、神経を圧迫している原因を直接取り除くことができます。
神経痛の多くは、筋肉が硬くなって神経の通り道が狭くなったり、圧迫されたりすることで生じます。
特に坐骨神経や肘・肩周囲の神経は、深層の筋肉のこりが原因になっていることが多いです。
鍼はその深層にダイレクトに届き、筋線維をほぐして柔軟性を取り戻させるため、神経の圧迫が自然と軽減されます。
例えば、坐骨神経痛の原因となる梨状筋がゆるみ、脚の痛みが軽減・肩・腕の神経の通り道が広がり、しびれが改善・深部の張りが取れ、「重だるさ」が抜ける。といった改善効果が現れることがございます。
深層筋がゆるむと、神経が解放されるように負担が減り、痛みの改善が期待できます。
鍼灸は、神経痛の原因になりやすい“深部のこり”にアプローチできる貴重な治療法です。
自律神経を整え、慢性痛そのものを改善へと導く
鍼灸は自律神経のバランスを整えることで、痛みの感じ方そのものを穏やかにし、慢性痛の改善へ導きます。
ストレスや痛みが続くと自律神経が乱れ、交感神経(緊張)が過度に優位になります。
この状態では筋肉の緊張が強まり、痛みを抑える力が弱くなるため、痛みを感じやすくなります。
鍼灸は副交感神経(リラックス)を優位にし、体を「回復モード」に切り替える働きがございます。
神経痛の背景には精神的ストレスが隠れていることも多いため、自律神経を整えられる鍼灸は、慢性痛全体の改善に大きく役立つ治療法です。
まとめ
ここまでブログを読んでいただき、ありがとうございます。
今回こちらのブログでは【神経の興奮が痛みを長引かせる?神経痛と鍼灸治療】についてご紹介させていただきました。
痛みが長く続くときは、筋肉や関節だけでなく「神経が敏感になっているサイン」である可能性が高いです。
慢性痛では、神経が過剰に反応しやすい状態(=興奮状態)に変化し、通常より痛みを感じやすくなります。
一度この状態になると、日常のちょっとした刺激でも痛みが強く出るため、自然に治りにくい特徴がございます。
原因が「神経の興奮」にある場合は、その神経の働きを整えるケアが必要であり、これが慢性痛改善の第一歩となります。
当鍼灸院では、神経の興奮を改善する治療法として、鍼灸(しんきゅう・はりきゅう)治療をおすすめしております。
鍼灸治療は、神経の興奮を落ち着かせる作用を持つため、神経痛の根本改善にとても有効です。
鍼灸は、体の深部にある筋肉や神経周囲へ直接アプローチでき、下記の効果が期待できます。
・過敏になった神経の興奮を鎮める
・血流を改善し、神経の働きを整える
・深部の筋緊張をゆるめ、神経の圧迫を軽減する
・自律神経を整え、痛みを感じにくい体へ導く
単に痛みを“一時的に和らげる”のではなく、“痛みやすい状態そのものを改善する”点が大きな特徴です。
慢性症状や神経痛が続くときは、我慢しすぎず「早めに神経を整えるケア」を始めることが改善への近道です。
当鍼灸院でも、多くのお客様が慢性痛のお悩みや神経痛での症状を改善・解消しております。
ぜひ一度、所沢肩こり腰痛マッサージ鍼灸院までご相談いただければと思います。
その他にも気になる点やご不明点がございます際には、お気軽にお問い合わせくださいませ。
【所沢肩こり腰痛マッサージ鍼灸院】鍼灸マッサージ師:熊谷陸
この記事を書いた人
あん摩マッサージ指圧師免許証(国家資格 厚生労働大臣認定 第146112号)
はり師免許証(国家資格 厚生労働大臣認定 184484号)
きゅう師免許証(国家資格 厚生労働大臣認定 第184295号)
公益社団法人 日本鍼灸師会 会員
公益社団法人 埼玉県鍼灸師会 会員
所沢市鍼灸師会 会員
サウナマイスター
習字 2段
書記 2段
空手 茶色帯
◯実績
FCバルセロナアカデミートレーナー帯同
MLBロサンゼルス・エンゼルス研修
ZUMBAカンファレンストレーナー帯同
東急スポーツサッカートレーナー帯同
おこしやす京都トレーナー帯同
社会人野球部トレーナー研修
都内鍼灸接骨院にて院長